安全衛生活動・健康経営

東芝産業機器システムでは、社会のインフラシステムを支え、今よりもっと安全・安心で豊かな社会、持続可能な成長と発展に貢献することを目標に、お客様、パートナー、従業員とともに歩んでいくため、従業員の安全と心身の健康を最重要課題に位置づけ、いきいきとした活気ある人と組織づくりによる、「安全健康経営」を推進します。

先達のDNAを引き継ぐ東芝の安全健康活動

東芝の安全健康活動の歴史は、東芝の前身である東京電気の時代にさかのぼります。1914年(大正3年)、当時の庶務課長であった蒲生俊文(1883~1966)が、悲惨な感電事故の現場を目撃したことをきっかけに生涯を安全運動に捧げ、1917年(大正6年)に内田嘉吉らとともに安全第一協会を設立するなど、日本の安全運動の中心的存在となって活躍しました。

蒲生俊文のかかわった数々のわが国初

1915年(大正4年)我が国初の安全委員会
1917年(大正6年)安全第一協会
1919年(大正8年)安全旗「緑十字」を創案
1925年(大正14年)安全衛生月刊誌発刊
1928年(昭和3年)全国安全週間
1932年(昭和7年)全国産業安全大会
 (中央労働災害防止協会 「産業安全運動100年の軌跡」より)

蒲生俊文 画像

蒲生俊文

安全旗「緑十字」 画像

安全旗「緑十字」

東芝産業機器システム 安全健康経営宣言

東芝産業機器システムは、128年の歴史を受け継ぎ、社会のインフラシステムを支え、今よりもっと安全・安心で豊かな社会、持続可能な成長と発展に貢献することを目標に、お客様、パートナーとともに歩んでいくため、従業員の安全と心身の健康を最重要課題に位置づけ、いきいきとした活気ある人と組織づくりによる、「安全健康経営」を推進します。
そのため、「東芝産業機器システム安全健康基本方針」に基づき、各階層が以下の責務を確実に果たすことのできる体制を整備し、安全健康にかかわる定期モニタリング指標を定め、継続的改善を進めます。

  1. 経営層は、「安全健康経営」を率先垂範します
  2. 管理職は、部下の安全と心身の健康を確実に配慮してください
  3. 安全健康スタフは、事業場の安全健康対策の推進と、その文化の醸成に努めてください
  4. 従業員は、自律的かつ相互間の安全と心身の健康の確保に努めてください

前田 聡 画像

東芝産業機器システム 安全健康基本方針

東芝産業機器システムは、人間尊重を旨とする『東芝グループ経営理念』に基づき、サステナビリティ経営推進企業として世界各国の文化や慣習を尊重しながら、持続可能な社会の実現に貢献する事業活動を展開していきます。
そのために、全ての事業活動において生命・安全・コンプライアンスを最優先し「安全で快適な職場環境づくりと心身の健康保持増進」を推進します。
安全健康を経営の最重要課題の一つに位置づけ、「安全健康管理活動の継続的な改善」により「業務に起因する負傷および疾病の予防」に努めます。
労働安全衛生法規等および当社が履行することを決めた指針および自主基準等を遵守します。
次の事項について目的・目標を定め、実行します。

(1)労働災害や職業性疾病の撲滅ならびにこれらを誘発する危険源の除去およびリスクの低減
(2)全従業員が個々の能力を十分発揮するための心身の健康保持増進

当社の事業にかかわる多様な立場の働く人々およびその代表と安全健康への取組みを適切に協議し、参加を支援します。
各種の安全健康コミュニケーションを通じ、社会の安全健康管理水準の向上に貢献します。

2024年4月1日
東芝産業機器システム株式会社
代表取締役社長
前田 聡 画像

社外評価(健康経営優良法人 2024(ホワイト500))

東芝産業機器システム株式会社は、経済産業省と日本健康会議が選定する「健康経営優良法人(ホワイト500)」に昨年に続き2年連続で認定されました。今後も東芝産業機器システムでは、従業員の安全と心身の健康を最重要課題に位置づけ、いきいきとした活気ある人と組織づくりによる、「安全健康経営」を推進して参ります。

<健康経営優良法人認定制度について>

地域の健康課題に即した取組や日本健康会議が進める健康増進の取組をもとに、特に優良な健康経営を実践している大企業や中小企業等の法人を顕彰する制度です。健康経営に取り組む優良な法人を「見える化」することで、従業員や求職者、関係企業や金融機関などから「従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組んでいる法人」として社会的に評価を受けることができる環境を整備することを目的としています。健康経営優良法人(大規模法人部門)認定法人の中で、健康経営度調査結果の上位500法人を「ホワイト500」として認定しています。
(経済産業省ウェブサイト「健康経営優良法人認定制度」)
https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/kenkoukeiei_yuryouhouzin.html

健康経営優良法人 ホワイト500 認定証 2023 健康経営優良法人 ホワイト500 認定証 2024 健康経営優良法人 ホワイト500 ロゴ

健康経営優良法人 ホワイト500 認定証(2023、2024)&ロゴ

社外評価(スポーツエールカンパニー)

「スポーツエールカンパニー」は、スポーツ庁が従業員の健康増進のためにスポーツの実施に向けた積極的な取り組みを行っている企業を認定するもので、東芝産業機器システム株式会社は、昨年に続き「スポーツエールカンパニー2024」に認定されました。
当社では、全社ウォーキングイベントの開催、自社オリジナル体操の考案、配信等の実施を通して、日常の生活の中で運動の習慣化を呼び掛けていることが評価されました。

スポーツエールカンパニー認定証 2023スポーツエールカンパニー認定証 2024

スポーツエールカンパニー認定証(2023、2024)

健康経営のめざす方向

東芝産業機器システムでは、健康経営のめざす姿を、従業員を含む事業に関わる全ての人の幸福(ウエルビーイング)と、お客様と社会への貢献による企業価値の向上を実現することとしています。
心身の健康増進では、健康診断の100%受診、健康意識の向上、禁煙、メンタルヘルス等の研修、ウォーキングイベント、腰痛予防体操、食生活改善指導、メタボ対策(スマート大作戦)、女性の健康等に注力しています。
また組織活性化のために、ストレスチェックに加えて、エンゲイジメントサーベイ、仕事に向き合う心理状態を表すワークメンタリティサーベイなどの各種調査とアンケート、ヒアリング結果などの分析も定期的に進めています。
その結果は、いきいきとした人と組織づくりのための研修やイベント、社長対話会の集中開催、FA制、社内留学など、様々な全社施策の企画、実施に反映されています。

健康経営のめざす方向 画像

安全健康推進体制

東芝産業機器システムでは安全管理体制、健康経営体制を下図のとおり定めています。事業所では、専門スタフの選任、安全衛生委員会の開催などの法定事項の履行に加え、専門部会、職場安全衛生委員会を立ち上げるなど、作業内容や、工程のリスクに応じた柔軟かつ、積極的な取り組みを実践しています。また、事業所とは異なったリスクが想定される、各支店には、総務部から情報提供を行い、ニーズに合った活動に取り組んでいます。
労働組合との協議・意見交換をする場として、中央安全衛生委員会を開催し、従業員視点をふまえた安全健康管理レベルの向上にも取り組んでいます。

安全健康推進体制図 画像

安全健康推進体制図

健康経営体制図 画像

健康経営体制図

労働安全衛生マネジメントシステムの推進(ISO45001)

2021年3月に労働安全衛生マネジメントシステムISO45001の認証を、製造拠点である三重事業場に於いて取得しています。ISO45001の前身であるOHSAS18001認証を2008年に取得して以来、長年にわたりこのマネジメントシステムを有効活用して、従業員が自ら積極的に安全健康活動に参加し、事業活動における災害、疾病リスクの低減と管理、自職場での法令順守チェックなど、『自立した安全管理』を推進しています。
東芝産業機器システムは、従業員による活発な安全健康活動の展開をとおして、当社で働くすべての人の更なる健康と安全、疲労やストレスの少ない快適な職場環境の形成を推進し、お客様やその他のステークホルダー(利害関係者)の皆様へ信頼をお届けできる企業を目指します。

労働安全衛生マネジメントシステムの推進(ISO45001) 画像

リスクアセスメント実施状況(危険源の特定・リスク評価)

当社のリスクアセスメントは、主力重電工場である三重事業所の総務部門が事務局となり、各部門に配置しているリスクアセッサーを中心に実施しています。頻度は、①定期リスクアセスメント(毎年4月~6月に一斉に行う)と ②臨時リスクアセスメント(設備の新設・変更時、新規原材料導入・変更時、作業方法・手順の変更時等)の2つがあり、当社労働安全衛生リスクアセスメント規程に基づく「リスクアセスメント実施手順書」により実施しています。

2022年度における実績

◇労働安全衛生リスクアセスメント(評価レベルⅢ以上)

労働安全衛生リスクアセスメント(評価レベルⅢ以上)
新規抽出リスク(2022年度抽出件数) 43件
新規抽出リスク(改善完了件数) 43件
残存リスク件数(2021年度まで) 7,831件

※残存リスク件数は、評価レベルⅠ~Ⅴの全てのリスク

◇化学物質リスクアセスメント

化学物質リスクアセスメント
有害性リスク 危険性リスク
(健康関係)
新規抽出リスク(2022年度抽出件数) 55件 27件
残存リスク件数(2021年度まで) 1,031件 541件

◇当社の危険源の特徴

当社主力の三重事業所は、重電工場である特性から、重量物の運搬、電気取扱い、高所作業、機械作業、溶剤取り扱い作業等の多種多様な作業があり、危険源として、荷(製品を含む重量物)、素材(薄鉄板や鋳物)、回転体(旋盤や巻線機)、溶接機、クレーン・フォークリフト、塗料(溶剤)、等々を特定しています。
リスクアセスメントにより、これらの危険源に関わる「状態・行為」を未然に改善・維持し、労働災害や職業性疾病を撲滅するため、特に以下のリスク低減に注力し、取組んでいます。

  1. 電気取り扱い作業に伴うリスク
  2. 挟まれ・巻き込まれに起因するリスク
  3. 切れ・こすれに起因するリスク

安全健康に関する意識啓発・教育

東芝産業機器システムでは安全健康経営宣言、および安全健康基本方針を制定しています。また、期初および年始には社長訓示が出されますが、その中には重要項目として安全健康に関するメッセージが含まれており、トップ自ら強い意志を持って安全健康を最重要課題と位置づけています。

安全衛生教育
 東芝産業機器システムでは、労働安全衛生法および関連政令、省令などに基づく法定教育、各種講習のほか、労働安全衛生マネジメントシステム運用に伴い必要となる教育・訓練の実施など、労働安全にかかわる従業員の力量確保に努めています。
また、現場配属3ヶ月後安全再教育や災害をシミュレーションで体験するVR体感型安全教育、交通事故に対する危険予知訓練、救急救命講習の拡大など、従業員の多様なニーズに合わせた教育を行っています。

配属3か月後安全再教育 画像

配属3か月後安全再教育

VR体感型安全教育 画像

VR体感型安全教育

救急救命講習 画像

救急救命講習

労働安全の取り組み

東芝産業機器システムの労働災害の発生率(度数率)は、2018年度以降、休業4日以上の業務上災害が1件ずつ発生していますが、休業災害0件に向けて、いっそうの予防策を講じています。社内には多岐にわたる業務が展開されており、その内容によって様々な予防策が必要となりますが、この予防策立案を入念に行い、リスクの低減、管理を目的とした設備導入および改修、従業員への教育訓練の徹底などを計画的に進めています。

休業災害発生度数率 画像

休業災害発生度数率

健康増進の取り組み

経営課題と従業員の健康の繋がり

当社では、「いきいきとした人と組織つくりによる企業価値の向上」を重要な経営課題と位置づけています。そのための取組みを、「Work Life Harmony」と「言える化と聴く力の向上」をキーワードに、心身の健康増進に向けた疾病予防、疾病対策などの産業保健諸施策と、健康増進のための様々な活動を進めています。
また、いきいきとした組織づくりでは、生産性の改善、キャリア開発支援、組織風土の改善とともに、個人と組織、事業をつなげる新たな取組みも始めています。
なお当社では従業員だけではなく、従業員のご家族や、関係会社従業員、お客様をはじめ取引先従業員にも健康経営ノウハウの提供や施策の共同実施を推進しています。

経営課題と従業員の健康の繋がり

経営課題と従業員の健康の繋がり

健康管理の充実

東芝グループでは、東芝グループ健康管理基準を定め、すべての従業員が健康への意識を高めて心身の健康を維持できるよう、さまざまな取り組みを展開しています。

健康増進の取り組み

健康増進の取り組み

人と組織の関係性とメンタルヘルス

メンタル疾患は個人の問題として、メンタルヘルスは産業保健や医療分野の課題と捉えられがちです。確かにその通りですが、人と組織の関係性の問題もとても重要な要素となります。
どんなに優秀な人でも、組織のメンバーが孤立がちであったり、上司や同僚と話しづらい職場、パワハラがあれば、いずれメンタル問題につながる可能性があります。
一方、組織の目的に共感でき、お互い助け合い、何でも言える風通しの良い職場であれば、いきいきと業務に取組み、メンタルヘルスと組織や事業の成果をともに高めることができるはずです。つまり人と組織の関係性を良くすることがとても重要だと言えます。
当社では、人と組織の関係性に関わるエンゲイジメント(自発的貢献意欲)やワークメンタリティ(仕事に向き合う心理的状態)が、ストレス要因と高い相関があることを確認、メンタルヘルス対策としてこの点を重視し、取組みの幅を広げています。

人と組織の関係性とメンタルヘルス 画像

各種健康経営指標の推移

当社の健康経営指標として下記項目を経営層と健康経営推進担当で抽出し設定を行いました。従業員の安全と心身の健康を最重要課題に位置づけ、本指標を基に施策を立案・展開し、いきいきとした活気ある人と組織づくりによる「安全健康経営」を推進しています。

各種健康経営指標の推移
項目 2019年 2020年 2021年 2022年 目標
定期健診受診率 100% 100% 100% 100% 100%
定期健診有所見率(法定項目) 30.3% 29.9% 29.9% 30.9% 25%以下
精密検査受診率*1 51.7% 70.1% 61.8% 82.4% 100.0%
血圧ハイリスク率*2 1.5% 1.9% 1.7% 3.4% 2%以下
血糖ハイリスク率*3 1.5% 1.7% 1.3% 1.2% 1%以下
特定保健指導対象者率 32.9% 22.6% 24.1% 20.2% 前年度以下
特定保健指導実開始率 51.1% 53.1% 65.6% 60.5% 70%以上
全年齢メタボリックシンドローム率 10.0% 12.6% 11.1% 13.4% 12%以下
40歳以上メタボリックシンドローム率 13.6% 17.4% 14.3% 16.7% 13%以下
生活習慣① 喫煙率 31.3% 29.7% 29.0% 27.8% 25%以下
生活習慣② 朝食欠食率 25.6% 23.1% 23.6% 23.6% 15%以下
生活習慣③ 就寝前2時間以内の食事者率 12.9% 10.3% 10.9% 10.1% 15%以下
生活習慣④ 多量飲酒者率 25.1% 23.6% 21.3% 24.7% 15%以下
生活習慣⑤ 1日の歩数が5000歩以下者率 14.4% 20.4% 24.0% 23.2% 10%以下
生活習慣⑥ 睡眠不十分な者率 24.1% 19.1% 20.4% 21.2% 25%以下
ストレスチェック受検率 93.2% 92.0% 91.8% 91.9% 100%
高ストレス者率 11.3% 9.6% 10.3% 11.0% 10%以下
ストレスチェック総合健康リスク得点 96.8 96.8 95.6 96.4 100以下
メンタルヘルス不調による休業者率 0.99% 1.00% 0.94% 0.97% 0
一人当り医療費 133千円 242千円 298千円 319千円 前年度以下
平均勤続年数 18.7年 19.2年 20.0年 20.4年
月平均所定外労働時間 27.4時間 22.1時間 23.9時間 25.8時間 20時間以下
平均有給休暇取得日数 16.2日 16.7日 15.9日 18.2日 20日
育児休業取得率 (女性) 100% 100% 100% 100% 100%
   〃       (男性) 0.0% 4.3% 4.0% 9.5%
男性ライフサポート休暇(配偶者出産)取得率 44.4% 21.7% 60.0% 52.4%
障がい者雇用率 2.6% 2.5% 2.4% 2.5% 2.5%
外国籍社員雇用率 8.4% 8.7% 7.7% 6.3%
アブセンティーズム*4 - - - 1.06日 1日以下
プレゼンティーズム*5 - - - 12.1 10以下
(プレゼンティーズム回答率) 77%
ワーク・エンゲイジメント*6 - - - 54 60以上
(ワーク・エンゲイジメント回答率) 94%
健康経営度調査偏差値 - - - 60.8
順位 451〜500位
(3169社中)

*1:通知を受けた社員が精密検査を受診した割合

*2:収縮期血圧160mmHg以上。拡張期血圧100mmHg以上

*3:HbA1c7.4%以上

*4:傷病による休暇(ワイドプラン)・欠勤・休職の全従業員の平均日数(介護休・産休・育休を除いて算出)

*5:SPQ(Single-Item Presenteeism Question 東大 1 項目版)による損失割合

*6:Toshiba Employee Activity and Moral Survey(チームサーベイエンゲージメントスコアより
2022年度より従業員意識調査サーベイ方法を見直したため同条件での比較不可

健康診断システムの導入

東芝グループ独自のシステムを導入し、定期健康診断の問診票・結果を「見える化」し、運用しています。従業員は、自身の健診結果をパソコンからいつでも確認することができます。産業保健専門職は、システムを活用し、従業員の健康支援面談の実施や事業所毎のデータを分析して健康づくりの取り組みに活かしています。

心の健康づくり、復職支援(ストレスチェック、休職者への復職支援)

東芝グループでは、日本企業のなかでもいち早く先進的なメンタルヘルス対策に取り組み、従業員をとりまく生活環境や職場などを含む包括的な体制でのケアを進めてきました。今後も従業員自らが心身の健康維持に意識的に取り組む支援も実施していきます。

  1. ラインケア
    教育、トップメッセージなどの各種機会を通じ、従業員の健康状態を把握するため、「いつもと違う」様子に注意し、職場の中で積極的な「気付き、声かけ」を実践するよう促しています。また、組織・チームの安全健康意識を向上させるため、CSR職場ミーティングなどの機会を活用したコミュニケーションの活性化にも取り組んでいます。
  2. セルフケア
    社内ホームページや東芝健康保険組合の広報誌「Kenpo Information」などを通して、 メンタルヘルスの啓発・教育活動を行っています。また、毎年国内グループ会社に対しセルフケアe-ラーニング教育を実施しており、自立的なこころの健康づくりをサポートしています。また、2011年度より「職場復帰支援プログラム」を使用し、休業した従業員が円滑に職場復帰し再発しないようにサポートしています。産業保健専門職は、主治医や職場および家族などと連携をとりながら、適切な就労時期や場所、仕事の仕方を提案します。
  3. ストレスチェック
    東芝グル―プでは独自のストレスチェックシステムを構築し、2016年度から本社部門が主導してチェックを実施しており、タイムリーなフォローの結果、グループ全体で全国平均よりも高い回答率となっています。2018年度からは、50人未満の事業場にも実施を義務付け、グループを挙げてストレスチェックを推進しています。また、ストレスチェック分析後の職場環境改善にも積極的に取り組んでいます。
  4. 事業場内の相談体制
     産業保健専門職は、相談に応じて、職場・家庭・医療機関などとの「コーディネーター」として活躍しています。スタフは本人のみならず職場からの相談にも応じています。
  5. 社外電話相談窓口
     心身両面からの相談体制をサポートする「こころとからだの健康相談」を東芝健康保険組合と共同で運用しています。本窓口は、プライバシーを確保しながら、従業員を支える家族の相談にも対応しています。

過重労働対策(時間外超過者健康管理)

東芝グループでは、時間外労働を前提としない働き方への転換(働き方改革の実践)を第一義としながら、2006年の労働安全衛生法改正に先立ち1ヵ月に80時間以上の時間外労働をした従業員に医師による面接指導(時間外超過者面接指導)を義務付ける(法定を上回る)基準を設け、時間外労働による健康障害の防止に取り組んできています。
 東芝産業機器システムでは、時間外超過者健診システムを利用しており、1ヵ月45時間以上の時間外労働をした従業員全員に健康調査票の実施を徹底しています。また45時間以上80時間未満の時間外労働をした従業員についても、健康調査票の実施結果に応じて、面接指導(時間外超過者面接指導)を実施しています。

重症化予防

定期健康診断結果に対して東芝グループ共通基準による就業区分判定を実施し、脳・心臓疾患の発症リスクが高い従業員に対する保健指導や時間外勤務・出張等の勤務管理・労務管理を進めています。

健康を中心とした総合的なサポート、女性の健康への取り組み

健康づくりへの支援として、メンタルヘルス教育は管理職向けに加え、全従業員向けのメンタルヘルス講座を開催し、全従業員でいきいきとした職場づくりに取り組んでいます。教育内容は従業員へのアンケート結果やストレスチェック分析からの傾向を基に決定しており、傾聴力、メンタルタフネス、アンガーマネジメントなど様々なテーマで実施しています。
食堂でヘルシーメニューの提供、自分の血圧を知るブース設置、熱中症セミナーなど、各事業所の特徴に合わせた様々な取り組みを行っています。
喫煙対策について、現在はすべての事業所で構内24時間完全禁煙を実施しています。2023年6月には卒煙塾(セミナー)を開催ました。当社の喫煙率は徐々に低下してきていますが、まだ低い水準にあります。今後も受動喫煙防止に積極的に取り組んで参ります。
また健康保険組合とのコラボヘルスで、生活習慣改善キャンペーンを継続しています。特定保健指導では、管理栄養士による面談後、6ヶ月間のプログラムを対象者へ実施しています。
2023年度からは新たな取り組みとして、女性の健康相談窓口を開設し、女性のみならず女性を部下に持つ管理職の方からの相談も受け付けています。女性従業員向けのセミナーでは婦人科検診について取り上げ、受診率向上を呼びかけました。

各施策の参加状況
施策名 実施時期 参加人数 参加率 満足度
管理職向け『メンタルタフネス教育~認知行動療法を応用して、気持ちを軽くしよう~』  2021年10月 129人 100% 91%
管理職向け『ハラスメントセミナー いきいき職場をめざして』 2022年10月 117人 95% 91%
全従業員向けメンタルヘルス講座「心で話を聞こう~傾聴力~」 2021年5月 1,528人 100% 96%
全従業員向けメンタルヘルス教育「コミュニケーションとアンガーマネジメント」 2022年3月 1,534人 100% 91%
女性の健康セミナー「婦人科検診について知ろう」 2023年5月 297人 100% 96%
第一回(TIPS)卒煙塾 2023年5月 61人 - 88%

※参加率はセミナー対象者に対しての比率を表し、正規従業員以外(嘱託社印、契約社員、パート・アルバイト、派遣社員、応援者のすべて等)を含む場合もあり。任意受講者は含まず。

※満足度はセミナー開催後のアンケートより算出。

全従業員向けメンタルヘルス教育 画像

全従業員向けメンタルヘルス教育

卒煙セミナー 画像

卒煙セミナー

女性の健康セミナー 画像

女性の健康セミナー

睡眠セミナー 画像

睡眠セミナー

1人血圧測定ブース設置 画像

1人血圧測定ブース設置

ヘルシーメニューの提供 画像

ヘルシーメニューの提供

楽しみながら日常生活に運動を取り入れる仕掛け

当社従業員の健康課題の一つである運動不足の解消と、社内コミュニケーションの活性化、転倒災害防止、生活習慣病予防を目的として、毎年10月にRenobodyアプリを利用した1ヶ月間のウォーキングイベントを、労働組合と共催で実施しています。3年間連続で参加者が全従業員の約80%となる一大イベントになっています。2年目からは事業所の構内常駐会社からも参加者を募り、当社だけでなく関係会社にもご賛同いただき健康促進に取り組んでいます。チーム賞、個人賞、組合賞など副賞を多数用意し、個人賞では社長・役員の前後賞を設定。社長・役員は毎週の経過報告で順位を公開されて追いかけられるといった楽しい仕掛けを展開。イベント終了後にはウォーキングイベント表彰式も開催し、お互いに頑張りを讃えあいます。
イベントの全社目標は、「一日の平均歩数8,000歩達成」です。一日の平均歩数8,000歩を達成した人は、1年目は参加者の41%、2年目は47%に増加し、3年目にして遂に52%となり、参加者の半数以上の方が目標達成することができました。
施策の効果として、健康診断の問診票からは、「自分の一日の歩数がわからない人」が2018年には57.7%であったのに対し、2022年度は31.1%と、約半数に減少しました。さらに、「一日の平均歩数5千歩から1万歩の人」については、2018年は22.5%だったのに対し、2022年度は35.7%と、13.2%も上昇しました。
また、ウォーキングイベントと同時期に「秋のウォーキング写真展」を開催しています。ウォーキング中に見つけた美しい景色などを共有し、在宅勤務により周りの人の状況がわかりにくい今日に、写真を通して従業員同士のつながり、各拠点のつながりを持つことを目的としています。怪我や持病により、ウォーキングに参加いただけない方にも、写真で参加いただける仕組みになっています。

(TIPS)全社ウォーキングイベントの参加状況
実施時期 参加人数 参加率 一日8千歩
達成人数※
一日8千歩
達成率
2020年10月 1,144人 81% 446人 41%
2021年10月 1,097人 79% 516人 47%
2022年10月 1,188人 89% 615人 52%

※参加者のうちイベント期間中(1ヶ月間)の平均歩数が8千歩以上だった人数

ウォーキングイベント リモート表彰式の様子

ウォーキングイベント リモート表彰式の様子

ウォーキングイベント チーム紹介

ウォーキングイベント チーム紹介

秋のウォーキング写真展

秋のウォーキング写真展

ウォーキングイベント 役員インタビュー

ウォーキングイベント 役員インタビュー

産業医・保健師によるウォーキングお役立ち情報

産業医・保健師によるウォーキングお役立ち情報

すきま時間体操のすすめ、生活習慣の長期的な改善

RIZAPコラムを利用し、懐かしいヒット曲に乗せた当社オリジナルの「RIZAP体操」(全7回)を考案。出演も従業員から募集し映像を撮影、配信し、すきま時間体操を呼びかけています。製造現場では、始業前の準備体操に活用しています。
従業員のモチベーションを保ったまま、長期的な生活習慣改善に取り組むため、2022年からサントリープラスを導入しました。生活習慣病予防の4項目、体脂肪、血圧、コレステロール、血糖に対応した、日常の延長線でできる簡単な健康タスク60個から自分にあったものを選び、コツコツと継続を続けています。

自社オリジナル体操の制作、配信 画像

自社オリジナル体操の制作、配信

現場では準備体操に 画像

現場では準備体操に

事務所ではすきま時間運動に 画像

事務所ではすきま時間運動に

あいさつ運動 「TIPSmile!」

全拠点、全従業員への意識の浸透、コミュニケーションの活性化を目的としてあいさつ運動を展開しています。TIPSは社名(Toshiba Industrial Products and Systems Corporation)の略称です。「TIPSmile!」(ティップスマイル)のネーミングは従業員から募集し、数多くの応募の中から投票により選ばれました。チーム力を高めるため、心理的安全性の高い職場づくりを目指し、コミュニケーションの大切さを呼び掛けています。あいさつ運動のポスターでは、社長自らの言葉で従業員へメッセージを配信しています。

あいさつ運動 画像

個人/チーム/事業をつなげるキャンバスメソッドの全社展開

健康経営を進めるうえで難しいのは、個人が対象の心身の健康増進と、個人に強く影響する人と組織の関係性の改善、さらに企業価値向上をいかに結びつけるかです。
現在多くの健康経営ソリューションが各社から提案されていますが、それを行うことでどのように組織が良くなるのか、どのように企業価値が高まるのか、その道筋があいまいなものが多いようです。
そこで東芝産業機器システム株式会社では、ビジネスモデルキャンバスの考え方を使って、シンプルかつ一貫した手法で、可視化と議論を進め、「個人、チーム、事業をつなげて価値を高めるキャンバスメソッド」の全社展開を2021年下期より進めています。 その導入編の動画研修には対象者の90%、900名が参加、自分を見直す良いツールとして高評価であり、2022年上期からは昇格者研修に導入、さらには全役職者向けの実践コースの展開を開始しました。

個人/チーム/事業をつなげるキャンバスメソッドの全社展開 画像

感染症対策

国内の感染症対策としては、管理職マニュアルを作成し、感染症発生時の報告や対応の周知・実施を徹底し、感染拡大を防止しています。新型コロナウイルスは(COVID-19)対策チームを立上げ、各種施策・対応を実施しましたが、5類への移行後はインフルエンザ等と同様に継続的な感染防止対策と、感染時の対処方法、情報提供等を行っています。
海外における感染症の発生や流行に対しては、外務省などの情報を基に随時、最新情報を収集し、コーポレート部門からグループ会社へ提供された情報を周知することで注意喚起・啓発しています。また、海外に赴任する可能性のある従業員および海外赴任する従業員の帯同家族を対象とした研修を実施し、海外の生活・医療・安全・感染症対策などについて説明しています。海外赴任が決まった従業員には、赴任前のオリエンテーションを通じ、事前の健康診断、予防接種などを実施しています。

海外駐在者・出張者に対する健康管理

東芝グループでは、海外に駐在する従業員の健康管理を支援する専門部署を日本国内に設置しています。法定の赴任時・帰任時健康診断に加え、駐在期間中も家族を含め年一回の健康診断の実施を義務化し、特に駐在員に対しては健康診断結果に基づき、国内勤務の従業員と同様の支援活動を実施しています。また、各国の医療事情に応じた最適な支援ができるよう、従業員とその家族に対して相談対応や現地医療機関の案内、緊急時の搬送などを手配できるサービスを導入しています。2019年7月から、ストレスチェックも海外駐在者に導入しました。
また東芝産業機器システムでは、2019年度より海外出張者に対して、事前に健康状態を確認できる出張者システムの導入をしました。更なる健康管理の充実を目指します。

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