-
導入前
倉庫内で使用していた搬送ロボットは鉛蓄電池を搭載しており、充電時間=使用できない時間が長かった。
また搬送ロボットを充電時にラインから外して充電スペースに移動する必要があった。
稼働率の低下や運用コストの増加、充電場所の確保が課題となっていた。導入後
SIP24-23を搭載し、短時間での急速充電を実現。
非接触充電と組み合わせることで、ロボットが自動でラインの中で充電が可能になりました。
省人化と稼働率向上、必要スペース削減を同時に達成。ユーザーの声
充電のたびに人が対応する必要がなくなり、作業効率が大幅に改善しました。
ロボットの稼働率も上がり、物流全体のスループットが向上しています。 -
建設業(屋外用電源):騒音振動の抑制、メンテナンスコストの削減
導入前
屋外工事の電源にエンジン発電機を使用していたが、騒音・振動や排ガスの問題で住宅地では使いづらかった。
またメンテナンスに手間がかかった。導入後
無音、無公害で電力が供給できるようになり、使用できる場所が大きく広がった。
また、機械部品がほとんどないのでメンテナンスが大幅に簡素化され、ランニングコストを圧縮するとともに、地球環境への配慮もPRできるようになった。ユーザーの声
音も排ガスも振動もないので深夜の住宅地でも気兼ねなく使えます。
エンジン発電機に比べると点検も簡単です。
また、再生エネルギーを電源とすることで環境への配慮もPRできました。 -
農業分野:自動走行農機の電動化と低温対応
導入前
自動走行型の農業機械に鉛蓄電池を使用していたが、冬季の早朝作業時に出力が低下し、始動できないことがあった。
また、充電に時間がかかり、作業スケジュールに影響していた。導入後
SIP24-23を搭載し、-30℃でも安定した出力を維持。
急速充電により、作業の合間に短時間で充電が可能に。
寒冷地でも安定した運用が可能となり、作業効率が向上。ユーザーの声
寒い朝でもすぐに動いてくれるので、作業の立ち上がりがスムーズになりました。
電池の心配がなくなり、安心して使えるようになりました。
製品のご紹介
現場の声から生まれた、産業用電池パックの新しい標準
仕様
SIPシリーズは、無人搬送車(AGV)や自律走行ロボット、物流機器など、高頻度な充放電と高出力、長期間の運用が求められる現場に最適な産業用電池パックです。
BMU(バッテリーマネジメントユニット)などの付属機器を内蔵したオールインワン構造により、複雑な制御設計を不要にし、導入のハードルを大幅に下げます。
| 項目 | SIP24-23 | SIP48-23 |
|---|---|---|
| 公称電圧 | DC25.3V | DC50.6V |
| 容量 | 22Ah | 22Ah |
| 電力量 | 556Wh | 1113Wh |
| 最大出力電流 | 125A(200秒)/150A(2並列時) | 125A(200秒) |
| 使用温度範囲 | -30℃~+45℃ | -30℃~+45℃ |
| 寸法・質量 | 約247×188×165mm/約8kg(1パック) | |
| 保護機能 | 過充電・過放電・過電流・温度異常・通信異常など | 過充電・過放電・過電流・温度異常・通信異常など |
採用メリット
導入しやすく、運用しやすく、長く使える。
設計不要、すぐに使えるスタート信号を入れるだけで起動。
CAN通信やDO出力(デジタル信号)にも対応し、お客様側のシステムとの連携もスムーズです。
鉛蓄電池からの置き換えが容易
同等の電圧帯で動作し、軽量・コンパクト設計。既存設備の改造を最小限に抑え、スムーズなリプレースが可能です。
長寿命でメンテナンスフリー
高い耐久性により、10年以上の使用が可能。交換頻度が少なく、メンテナンスコストを大幅に削減できます。
急速充電で稼働率アップ
急速充電はもちろん、数分程度のチョコチョコ充電に対応。24時間連続稼働の実現や、所要台数の削減にも貢献します。
低温環境でも安定動作
-30℃でも安定した出力を維持。冷凍倉庫や寒冷地でも追加の加温装置なしで使用可能です。
実績・効果
導入企業での成果が、SIPシリーズの実力を証明しています。
自動車工場でのAGV導入事例
- 鉛蓄電池からSIPへ置き換え
- 非接触充電と組み合わせて充電作業ゼロ化
- 充電スペースを廃止し、年間500万円以上のコスト削減
- 電池廃棄量ゼロ(10年で約10t削減見込み)
SCiB™導入事例 東芝マツダ(株式会社 東芝)
物流倉庫での運用改善
- 充電時間を従来の1/3に短縮
- 予備電池の保管・交換作業が不要に
- 作業者の安全性向上(感電・ショートリスクの低減)
SCiB™の使い方Blog(株式会社 東芝)
SIP24-23/SIP48-23は、「導入のしやすさ」「運用のしやすさ」「経済性」「安全性」を兼ね備えた、産業用電池パックの新しいスタンダードです。
現場の課題を解決し、次の10年を支えるエネルギーソリューションとして、ぜひご検討ください。
よくあるご相談
Q1: 個人でも購入できますか?
SIPシリーズは法人向け製品として提供されています。
個人への販売は行っておりません。
Q2: 鉛蓄電池用の充電器を使えますか?
使用できません。
鉛蓄電池用の充電器では電圧設定や制御方式が適合せず安全上のリスクが生じるため、必ず専用の充電器をご使用ください。詳しくはお問い合わせください。
Q3: 自動車の鉛バッテリーの代わりに使えますか?
自動車の鉛バッテリーの代替え用としては設計されておらず、置き換えできません。
Q4: SIPシリーズは鉛蓄電池の代わりに使用できますか?
はい、用途によっては鉛蓄電池の代替として使用可能です。
ただし、電圧特性や充電方式が異なるため、システム側の調整や充電器の変更が必要です。詳しくはお問い合わせください。
Q5: 耐用年数はどれくらいでしょうか?
使用条件にもよりますが、SIPシリーズは約10年以上の使用が可能です。
充放電回数は20,000回以上に耐える設計であり、毎日使用しても10年以上交換不要なケースもあります。
鉛蓄電池と比較して圧倒的に長寿命です。
Q6: 鉛電池同様に、充電中は換気が必要でしょうか?
いいえ、SIPシリーズは密閉型のリチウムイオン電池パックであり、充電中にガスを発生することはありません。
したがって、鉛蓄電池のような設備は不要です。
バッテリーの放熱ができれば、密閉空間でも安全に充電・使用が可能です。
Q7: 鉛蓄電池と比較して使用時間は伸ばせるのでしょうか?
はい、同じ容量(Ah)で比較した場合でも、SIPシリーズは実質的な使用時間が長くなる傾向があります。
また、電圧降下が少ないため、高出力を長時間維持でき、装置の動作安定性も向上します。
Q8: 鉛蓄電池と比較して出力は伸ばせるのでしょうか?
はい。SIPシリーズは内部抵抗が低く、鉛電池に比べて高出力での放電が可能です。
また特に高負荷時において、鉛蓄電池よりも出力電圧が安定しており、装置の停止リスクを低減できます。
Q9: 鉛蓄電池と比較して重量はどれくらいでしょうか?
SIP24-23(約8kg)は、同等の電力量を持つ鉛蓄電池と比較して約1/2〜1/3の軽量化が可能です。
装置の小型化・軽量化に貢献し、可搬性や設置性の向上にもつながります。
Q10: 出力電圧、最大電流を教えてください
SIP24-23:公称電圧 DC25.3V、使用範囲 DC16.5〜29.7V、最大出力電流 125A(200秒)/150A(2並列時)
SIP48-23:公称電圧 DC50.6V(2直列構成)、使用範囲 DC33.0〜59.4V、最大出力電流同上
※詳細は製品仕様書をご参照ください。
Q11: 充電器の選定や購入について相談したい
はい、充電器の選定やシステム設計に関するご相談は可能です。
用途や構成に応じて、最適な充電器や制御方式をご提案いたします。
技術資料や評価用サンプルの提供も行っておりますので、ぜひお問い合わせフォームまたは営業窓口までご連絡ください。
各種サポート
SIP24-23/SIP48-23を選定から導入後の運用支援までを一貫してサポートしています。
製品選定・技術相談
-
用途やシステム構成に応じた最適な製品のご提案
-
電圧・容量・出力条件などの仕様確認
-
鉛蓄電池からの置き換えに関する技術的アドバイス
-
充電器や制御機器との適合性確認
技術資料の提供
-
製品仕様書(PDF)
-
外形図・CADデータ
-
取扱説明書
-
CAN通信仕様書
導入支援・評価サポート
-
初期導入時の評価用サンプル提供
-
試験環境構築のアドバイス
-
通信確認・起動確認のサポート
-
導入前の現場ヒアリング・技術打ち合わせも対応可能
デモ機貸出サービス(無料)
-
実機を使って動作確認・評価試験が可能
-
ご希望に応じて技術者による立ち会いサポートも可能です
-
数に限りがあるため、事前予約制となります
アフターサービス・保守対応
-
製品の不具合・異常時の技術サポート
-
交換対応(保証期間内のみに限ります)
-
長期使用に向けた点検・診断サービス(オプション)
-
導入後の運用改善提案もご相談いただけます
SCiB™とは?
電池の進化が、社会の未来を変えていく
私たちの暮らしは、かつてないスピードで電化・デジタル化が進んでいます。
電気自動車、再生可能エネルギー、スマートグリッド、ロボティクス——これらを支える「電気をためる技術」、
すなわち二次電池(充電式電池)の重要性は、ますます高まっています。
その中で、東芝が開発したSCiB™(Super Charge ion Battery)は、
これまでの電池の常識を覆す性能と信頼性を備えた、次世代のリチウムイオン電池です。
なぜSCiB™が注目されているのか?
鉛蓄電池との比較から見える、SCiB™の価値
鉛蓄電池は、19世紀に発明されて以来、産業用機器や自動車のバッテリーとして広く使われてきました。
構造がシンプルでコストも安く、信頼性のある技術です。しかし、技術的な限界もあります。
| 比較項目 | 鉛蓄電池 | SCiB™ |
|---|---|---|
| 充放電回数 | 数百~1,000回程度 | 数千~20,000回以上 |
| 充電時間 | 数時間 | 数分(急速充電対応) |
| エネルギー密度 | 低め | 高め |
| 自己放電 | 比較的多い | 非常に少ない |
| 温度耐性 | 高温に弱い | 低温・高温に強い |
| 安全性 | 漏液・ガス発生のリスクあり | 漏液・ガス発生のリスクなし 発火・爆発リスクが低い |
| 環境負荷 | 鉛を含むため処理に注意が必要 | 有害物質を含まずリサイクル性が高い |
SCiB™は鉛蓄電池の抱える課題を解決し、より高性能で持続可能なエネルギーソリューションとして、多くの分野で導入が進んでいます。
SCiB™が活躍するフィールド
多様な現場で求められる、信頼性と柔軟性
SCiB™は、その高い性能と安全性から、さまざまな分野で導入が進んでいます。
単なる「電池」としてではなく、社会の基盤を支えるエネルギーソリューションとして、以下のような現場で活躍しています。
モビリティ分野(電気自動車・バス・鉄道)
電気自動車(EV)や電動バス、鉄道車両では、急速充電と高い出力、長寿命が大きなメリットとなります。
SCiB™は、大型バスも駆動可能な高出力に加え、運行の合間に短時間で充電できるため、
車両の稼働率を高め、運用コストの削減にもつながります。
また、過酷な環境にも強く、公共交通機関に求められる高い安全性と信頼性を実現します。
産業用途(AGV・ロボット・重機)
工場や倉庫で活躍する無人搬送車(AGV)や産業用ロボットでは、メンテナンスの手間を減らし、
安定して使用できることが重要です。
SCiB™は、充放電回数が非常に多く、長期間安定して使用できるため、
現場の安定稼働、ダウンタイムの削減と生産性の向上に貢献します。
再生可能エネルギーとの連携
太陽光や風力などの再生可能エネルギーは、天候や時間帯によって発電量が変動します。
SCiB™は、こうした電力を効率よく蓄え、必要なときに安定して供給する役割を担います。
特に、高い耐環境性に加えて自己放電が少なく、過酷な環境でも電力をロスなく長期間貯蔵することができます。
医療・防災・バックアップ電源
病院や災害対策拠点では、万一の停電時にも確実に電力を供給できる信頼性が求められます。
SCiB™は、発火や爆発のリスクが極めて低く、長期間の待機状態でも性能を維持できるため、非常用電源としての適性も非常に高いのです。
未来を支えるエネルギー基盤として
信頼性と柔軟性さらに環境へのやさしさを兼ね備えた、次世代の標準
SCiB™は、単なる製品ではなく、未来の社会インフラを支える「基盤技術」です。
長寿命による廃棄物の削減
一般的な電池が数年で交換を必要とするのに対し、SCiB™は10年以上の使用が可能です。
これにより、廃棄される電池の量を大幅に減らすことができ、廃棄物処理やリサイクルの負担を軽減します。
有害物質を含まない設計
SCiB™は、鉛やカドミウムといった有害な重金属を使用していません。
そのため、製造・使用・廃棄の各段階で環境への影響が少なく、クリーンなエネルギー社会の実現に貢献します。
スマートシティの中核に
都市の電力網、交通、通信、医療などが高度に連携するスマートシティでは、
安定した電力供給が不可欠です。SCiB™は、マイクログリッドの中核として、都市のレジリエンス(回復力)を高めます。
カーボンニュートラルの実現へ
世界中で進む脱炭素社会の実現に向けて、SCiB™は重要な役割を果たします。
再生可能エネルギーの普及、電動モビリティの拡大、エネルギー効率の向上——そのすべてにおいて、SCiB™は信頼できるエネルギーの貯蔵と供給を担います。
柔軟な設計と拡張性
SCiB™は、用途に応じてモジュール化やシステム化が可能であり、小型機器から大規模な蓄電システムまで、幅広いニーズに対応できます。
これは、将来の技術革新や社会の変化にも柔軟に対応できるという大きな強みです。
このように、SCiB™は「電池」という枠を超え、社会の持続可能性と安全性を支える中核技術として、これからの時代に欠かせない存在となっています。
非接触充電器
SIP24-23/SIP48-23 専用充電器 | 製品情報 | 東芝産業機器システム株式会社
非接触準電気ページに掲載




